株式会社マテリアルハウス 自然採光事業部
経営者や総務部門の皆様なら、従業員に少しでも働きやすい環境で仕事をしてほしいと考えるかと思います。働きやすいオフィスは、従業員の健康を守るだけでなく、知的生産性を向上させ仕事の効率アップにもつながります。
働きやすいオフィスとは、従業員が快適に働けて、生産性も高まるオフィスと考えると、自然採光システムを活用することによって働きやすいオフィスを実現することができます。なぜ自然光が働きやすさと関係するのか、2つの理由をご説明します。
自然光が知的生産性の向上に寄与する
1つ目の理由は、自然を感じ太陽光が当たる環境では生産性が向上するからです。「自然を感じられるオフィス環境で働く⼈の方が、そうでない人に比べ生産性が6%高い」(注1)という研究結果があります。自然光は文字通り自然そのものです。
太陽光については、「太陽光のあたる環境では従業員の集中力が増し作業効率が上昇する」(注2)という研究結果があります。
知的生産性は社員の健康状態とも密接な関係があります。欠勤にはいたっていなくても、健康問題が理由で生産性が低下している状態(プレゼンティーズム)になっていることもあるからです。
そして、健康と自然光には密接な関係があります。ベルギーで行われた調査では、84.7%の人が「自然光は蛍光灯よりもより健康的な環境を作り、健康を維持できる」(注3)と答えました。自然光により従業員の健康を守ることも知的生産性の向上につながります。
自然光がオフィス環境の快適性に寄与する
2つ目の理由は、自然光がオフィス環境の快適性に寄与するからです。経済産業省が公表している「健康経営オフィスレポート」の「快適性を感じる」という項目の中に、「光を快適と感じる」ことが挙げられています。
光には人工光と自然光がありますが、先ほどと同じベルギーで行われた調査で、97.2%の人が「自然光の方が蛍光灯よりも快適で、仕事のストレスを軽減する」(注3)と答えました。
「CASBEEウェルネスオフィス」によれば、自然に触れることは身体活動のみでなく、メンタルヘルスにおいても有益であり、快適感、自然環境への関心、リラックスできる空間、癒しなどを得ることができます。
人間は生まれながらに自然や植物を好む性質があるのではないかという仮説(バイオフィリア)に基づいた設計、すなわちバイオフィリックデザインも最近は注目されています。自然光は文字通り自然そのものです。
自然採光システム「光ダクト」
自然光をオフィスで活用することで働きやすい環境になることが分かりました。では、実際に自然採光を行うにはどのような手段があるのか、代表的な自然採光システムである「光ダクト」についてご説明します。
「光ダクト」とは、トップライトなどの採光部から光を採り入れ、反射率の高い鏡でできた導光部により室内に光を導く自然採光システムです。室内に導いた光は、天井面や壁面に設けた放光部から放たれます。
「光ダクト」がオフィスで活用されている事例をご紹介します。2016年にグッドデザイン賞を受賞した「アーバンネット日本橋二丁目ビル」は、「光ダクト」により基準階の4面採光を可能とし、自然光によって知的生産性の向上を目指したオフィスです。
自然光をオフィスで活用するとなると紫外線による日焼けや眩しさが気になるかと思います。「光ダクト」に使用している鏡は紫外線を反射しない素材ですので、日焼けの心配はありません。また、「光ダクト」からの光は直射光とは異なり柔らかい光となるため、眩しさの心配もありません。
太陽光と光ダクトの紫外線量の比較 | 放光部の写真 |
よくあるご質問
今回ご紹介したウェルネスオフィスと自然採光システムに関してよくいただくご質問です。
Q 光ダクトからの光は自然光として認められますか。
A CASBEE建築(新築)評価マニュアル(2021年SDGs対応版)では、「昼光利用設備とは、建物外壁に通常設けられる窓以外に、積極的な昼光利用を意図して設けられた設備である。具体的にはライトシェルフ、光ダクト、集光装置、光ファイバ等のように、光を採りいれる(集める)装置、もしくは光を室奥へ導く装置を指す」と書かれています。ただし、実際の申請では条件により認められない可能性がありますので詳しくは評価団体にお問い合わせください。
Q 自然光で知的生産性が上がるのですか。
A 「自然を感じられるオフィス環境で働く人の方がそうでない人に比べ生産性が6%高い」や「太陽光のあたる環境では従業員の集中力が増し作業効率が上昇する」という結果を示す論文があります。詳しくはお問い合わせください。
お客様の声
自然採光システムをオフィスに導入していただいたお客様からの声です。
無機質な空間に自然の木漏れ日模様があることで、仕事の合間のリフレッシュになる。(従業員)
光ダクトがもたらす美しい現象は利用者に自然の安らぎを感じさせる。(グッドデザイン賞審査員)
注1)“The Global Impact of Biophilic Design in the Workplace”, Published 2015
Interface社運営 “The Human Spaces” 調べ
対象:16カ国(ヨーロッパ8、アメリカ3、アジア5)のオフィス従業員 7,600人
注2)Office worker Performance and the indoor environment ( California Energy Commissionn )
注3)“Analyse of the survey on the office workers’ interest in windows”
International Energy Agency(IEA)国際エネルギー機関, Issued September 2004
「光ダクト」についてもっと知る
今回ご紹介した「光ダクト」について詳しく知りたい方は下記よりご覧ください。